1949
コンクリートの桁がむき出しになった建物の中で頭を垂れ、膨れ上がった大きな手を地面に投げ出し、うずくまる男。男の両肩には巨大な掌がのしかかり、今にも押しつぶされそうだが、ブロンズ色に底光りするその肢体が、重圧に抗しようとする不屈の生命力を感じさせる。上野の地下道でみた浮浪者の姿にヒントを得たといわれる《重い手》は、敗戦直後の日本人の抑圧された心理状況を表した傑作として称えられる。鶴岡は抑圧されるものの絶望感だけを表すことをせず、直線で構成されたキュビスム風の構築物に戦後の権力機構を象徴させ、その中に表現主義的に描かれ生命力をあたえられた肉塊を立ちはだからせることで、まわりの重圧に立ち向かう人間の実存そのものを示した。それは、貧苦にあえぎながらも画業を捨てず、戦時下の美術規制に反発し新人画会を結成した彼の歴史そのものを表しているといえよう。後に自由美術協会で活躍した鶴岡政男は具象から、人間を風刺的に記号・暗号化した抽象へと画風を変貌させていったが、人間とそれを取り巻く現実の矛盾への追求は決してやむことがなかった。
1907-1979
| ジャンル | 絵画 |
|---|---|
| 材質・技法 | 油彩/カンヴァス |
| 寸法 | 130×97cm |
| 受入年度 | 1980 |
| 受入区分 | 購入 |
| 作品/資料番号 | 1975-00-0317-000 |
| Title | Heavy Hand |
|---|---|
| Genre | Paintings |
| Material/technique | Oil on canvas |
| Dimensions | 130×97cm |
| Acquisition date | 1980 |
| Accession number | 1975-00-0317-000 |
| 開催年 | 展覧会名 | 開催場所 | 開催期間 |
|---|---|---|---|
| 1981 | 現代美術の動向I 1950年代 その暗黒と光芒 | 東京都美術館 | 1981.9.12-11.8 |
| 1982 | 開館15周年記念 日本洋画展 戦後30年の展望 | 広島県立美術館 | 1982.11.13-12.5 |
| 1983 | 近代日本洋画展 東京都美術館収蔵 | 山形美術館 | 1983.6.29-7.10 |
| 1983 | 裸体画100年の歩み 1880-1980 | 国立国際美術館 | 1983.10..7-12.4 |
| 1984 | 戦後の名作にみる人間像 生きること・描くこと | 福島県立美術館 | 1984.7.22-8.19 |
| 1985 | 新館開館10周年記念 現代美術の40年 | 東京都美術館 | 1985.10.12-12.8 |
| 1986-87 | 前衛芸術の日本 1910-1970 | ポンピドゥー・センター | 1986.12.11-1987.3.2 |
| 1987 | 日本近代絵画の歩み | 大分県立美術会館 | 1987.10.30-11.29 |
| 1988 | 20世紀絵画の展開 | 名古屋市美術館 | 1988.4.23-6.19 |
| 1989 | 昭和の洋画100選 | 松屋銀座、三越広島店、大丸心斎橋店[1989.10.25-11.6/ 1989.12.26- 1990.1.7/1990.1.18-1.30 | |
| 1990 | 幻想の力 日本の近・現代美術から | 宮城県美術館 | 1990.10.2-11.4 |
| 1990 | ピカソと日本 徳島県立近代美術館開館記念展 | 徳島県立近代美術館 | 1990.11.3-12.9 |
| 1991 | 昭和の洋画 戦後の姿 | 姫路市立美術館 | 1991.3.9-4.7 |
| 1991 | からだのイメージ 西洋と日本の人体表現-近世から現代へ | 静岡県立美術館 | 1991.10.19-12.01 |
| 1992 | 日本の洋画史にみる 人間を描いた名作展 | 富山県民会館美術館 | 1992.9.14-.09.27 |
| 1995-96 | 常設展 現代美術の流れ | 東京都現代美術館 | 1995.3.19-5.7/1995.5.9-7.2/1995.7.8-8.27/1995.8.29-10.22/1995.10.28-1996.1.21/1996.1.23-3.3/1996.3.16-5.12 |
| 1996-1998 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 1996.5.14-9.1/1996.9.14-11.24/1996.11.26-1997.2.16/1997.3.1-4.6/1997.4.8-6.29/1997.7.12-10.26/1997.10.28-1998.2.15 |
| 1998 | 戦後日本のリアリズム 1945-1960 | 名古屋市美術館 | 19984.18-7.12 |
| 1998-2001 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 1998.11.10-1999.2.14/1999.2.27-6.13/1999.6.26-9.12/1999.9.14-11.28/1990.11.30-2000.2.13/2000.2.26-5.28/2001.7.7-9.16 |
| 2002 | 未完の世紀 20世紀美術がのこすもの | 東京国立近代美術館 | 2002.11.16-3.10 |
| 2001-02 | 靉光と交友の画家たち | 広島県立美術館 | 2001.11.6-2002.1.14 |
| 2002-2005 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 2002.9.14-11.24/2003.4.1-6.1/2003.6.3-9.7/2003.9.27-12.21/2004.1.6-3.28/2004.4.10-6.27/2004.7.15-9.26/2004.9.28-12.12/2005.4.16-6.26 |
| 2005 | アジアのキュビスム 境界なき対話 | 東京国立近代美術館 | 2005.8.9-10.2 |
| 2006 | MOTコレクション 1940―80年代以降の美術 みんなのなかにいる私 | 東京都現代美術館 | 2006.10.14-12.24 |
| 2007 | 生誕100年 鶴岡政男展 | 群馬県立館林美術館/神奈川県立近代美術館 | 2007.4.14-6.17/2007.6.30-9.2 |
| 2008-09 | 新人画会展 戦時下の画家たち 絵があるから生きている | 板橋区立美術館 | 2008.11.22-2009.1.12 |
| 2009-10 | MOTコレクション クロニクル1945, 1951, 1957|「アメリカの絵画」1950s・1960s|特集展示 岡崎乾二郎 | 東京都現代美術館 | 2009.10.31-2010.1.24/1.26-4.11 |
| 2010-11 | MOTコレクション クロニクル 1947-1963|アンデパンダンの時代 特集展示|ピピロッティ・リスト 特集展示|森万里子 | 東京都現代美術館 | 2010.10.29-2011.1.30/2011.2.26-3.31/2011.4.1-5.8 |
| 2012-2013 | 美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年 | 東京国立近代美術館 | 2012.10.16-2013.1.14 |
| 2013 | 開館20周年記念 特別企画展 室内における人間像~その空間と存在-神田日勝の『室内風景』の内奥へ- | 神田日勝記念美術館 | 2013.6.26-8.25 |
| 2013 | MOT コレクション 第1部:私たちの90年 1923-2013 第2部:残像から | 東京都現代美術館 | 2013.4.16-6.9 |
| 2013-14 | MOT コレクション 第1部:私たちの90年 1923-2013 第2部:つくる、つかう、つかまえるーいくつかの彫刻から | 東京都現代美術館 | 2013.10.3-2014.1.19 |
| 2015 | 20世紀日本美術再見 1940年代 | 三重県立美術館 | 2015.7.11-9.27 |
| 2015 | MOTコレクション 開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 第3弾 コレクション・ビカミング | 東京都現代美術館 | 2015.1.24-6.28 |
| 2016 | エッケ・ホモ 現代の人間像を見よ | 国立国際美術館 | 2016.1.16-3.21 |
| 2016 | 1945年±5年 戦争と復興:激動の時代に美術家は何を描いたのか | 兵庫県立美術館/広島市現代美術館 | 2016.5.21-7.3/7.30-10.10 |
| 2019 | 東京都現代美術館リニューアル・オープン展企画展百年の編み手たちー流動する日本の近現代美術 | 東京都現代美術館 | 2019.3.29-6.16 |
| 2019-20 | MOTコレクション いま―かつて 複数のパースペクティブ | 東京都現代美術館 | 2019.11.16-2020.2.16/2020.6.2-9.27] |
| 2020-21 | MOTコレクション コレクションを巻き戻す | 東京都現代美術館 | 2020.11.14-2021.2.14/3.20-6.20 |
| 2021-22 | 集団と個の狭間でー1950年代から60年代の日本前衛美術展 | ザヘンタ国立美術館 | 2021.11.25-2022.3.13 |
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